2009年10月
2009年10月31日
赤めだか
サラリーマンより楽だと思った。とんでもない、誤算だった…。立川談春が落語家前座生活を綴った随筆。
「本当は競艇選手になりたかった」で始まる本書は、立川談志率いる立川流の内幕話でもあり、抱腹絶倒の若手芸人たちの群像劇でもある。非常に面白かった。
ラスト近く、既に決裂していた談志とその師匠・最晩年の柳家小さんとの微妙で複雑な“会う事なきコミュニケーション”には、泣いてしまった。しかし…
立川談春の兄弟子・志らくさんによると、この本には結構、談春一流のウソが含まれているという。
でも、私は、そんな事はどうでも良いと思っている。
“作り”でも何でもエンタティナーの真の目的は正確な情報を伝える事ではなく、お客さんを楽しませる事なのだから。
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2009年10月30日
プリズン・ブレイク
第2シーズンまでは、脱走ものとして非常に面白かった。
第3シーズンの“パナマ篇”は、物語の展開が苦しかった。
現在放送中の“ファイナル”は、大作のスケールがある。
もうすぐ終わる。魅力的な登場人物たちとの別れが辛い。
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2009年10月29日
めぐみさんコーナー
我が家の近所、中原区の公園内にある、川崎市平和館。
先日、ここの2Fに“横田めぐみさんコーナー”が出来た。
“不幸にも旬がある”と言ったのは、脚本家の倉本聰だが…
拉致事件を絶対に風化させてはならない。新政権に望む。
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2009年10月28日
速記の日
本日は速記の日。私が持っている数少ない資格の一つだ。
これまであまり役に立った事はないけど、記憶力が良かった中学時代に覚えた技は、今もしっかり頭に刻まれている。
夜、『コンシャス・レッスン』No.13。シェイクスピアの「から騒ぎ」2回目だが皆、振り出しに戻ったみたいで、愕然となってしまった。おい、ここはカルチャーセンターじゃないんだぜ!
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2009年10月27日
人生ベストテン
直木賞作家・角田光代著『人生ベストテン』を読み終えた。“ちょっとはた迷惑な30代女性たち”が主役の短編集だ。
「床下の日常」→ 水漏れ工事に向かったマンションで、陰気な人妻から食卓に誘われた僕は…。
「観光旅行」→ 恋人と訣別するためイタリア旅行中の私は、観光地で母子喧嘩に巻き込まれ…。
「飛行機と水族館」→ アテネ帰りの飛行機で隣り合った泣き女が、なぜか僕の心に引っ掛かり…。
「テラスでお茶を」→ 男とのねじくれた関係を刷新すべく、中古マンション購入を決意した私だが…。
「人生ベストテン」→ 40歳の誕生日を目前に、恋すらしていない人生に愕然とした私は…。
「貸し出しデート」→ 夫以外の男を知らない主婦の私が、若い男を借り出してデートに挑むが…。
どの物語も、“途中から途中まで”しか描いていない。
だから、とてもリアリティがある。我ら皆、何かの途中までしか生きられず、人の一生に結論などないのだ。
ストーリーと直接は無関係な、ちょっとした描写が細やかで、私にとっては、“これぞハードボイルド!”という感じ。
まるで、T・アンゲロプロス監督の映画を観ているみたいだ。
文庫版のためのイッセー尾形による巻末の解説では、“実人生と嘘の時間”について考察している。
まさか、こんな所に“宇宙の秘密”が隠されていたとは…。
at 00:23|Permalink│